■第18回■ 「TAKEN BY FORCE」 SCORPIONS
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1.STEAMROCK FEVER
2.WE’LL BURN THE SKY
3.I’VE GOT TO BE FREE
4.THE RIOT OF YOUR TIME
5.THE SAILS OF CHARON
6.YOUR LIGHT
7.HE’S A WOMAN−SHE’S A MAN
8.BORN TO TOUCH YOUR FEELINGS
9.SUSPENDER LOVE |
10.POLAR NIGHTS (LIVE)
※9.10〜BONUS TRACKS |
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今回はロックのクラッシックと呼ばれるアルバムを1枚。ジャーマン・メタルの代名詞、正にドイツが
世界に誇るバンド、蠍団ことSCORPIONS77年発表の5th作「TAKEN BY FORCE」を取り
上げます。
ドイツのバンドと言う事で(だからという訳ではないかも知れませんが・・・。)他のアメリカやイギリ
スのバンドと違い独特の雰囲気がアルバム全体を包み込んでいて、初めて聴いた時はビックリし
ましたね〜。
曲自体はメロディアスで叙情的、ある種歌謡曲にも通ずるようなメロディー感覚が日本でも人気が
あった理由のようです。
ですがこのアルバムを聴く限りで言えばその独特な雰囲気があるので好き嫌いが分かれるかもし
れません。(今のリスナーからすればですが)
Gはリズムギター担当でバンドの中心人物のルドルフ・シェンカーとリード担当のウリ・ジョン・ロート
ですが、ここはやはりリードのウリについて書かなければならないでしょう。
彼のプレイはその後のネオ・クラシカル・スタイルを地で行くものでなおかつハイレベルなその技術
はとてもイングヴェイが登場する6年も前とは思えません。
それと平行してウリ本人も言っているようにジミ・ヘンドリクスからの影響も見られ、そのふたつの点
からも今でこそイングヴェイもウリからの影響を公言していますが、ウリのプレイを聴くとイングヴェ
イと似ていて(厳密にいうとイングヴェイが似ているんですが)これはなるほどイングヴェイはウリの
プレイを聴いていたのは間違いないし、おそらく影響は与えているなと思えてきます。
具体的にいうとこの時代で早くもハーモニック・マイナースケールやデミニッシュといった音使いを取
り入れ、それを正確かつハイスピードなピッキングでこなしているのは驚異的で時代を先取りしたプ
レイです。
それほど革新的なプレイだったにも係わらず当時はさほど取り上げられなかったらしく、その事から
「早過ぎた天才」と呼ばれる様になりました。
そういったウリのプレイを堪能するのに最適な曲を挙げるならば5のカロンの渡し守と呼ばれる「TH
E SAILS OF CHARON」で先程書いた早過ぎた天才ぶりがこの1曲を聴くだけで十分過ぎる
ほど分かります。実際私ももイングヴェイがカバーしているという事でこの曲目当てでアルバムを買
ったんですから。(笑)
楽曲的には作曲の分担がルドルフとVoのクラウス作曲とウリの作曲の両者に分かれていて、ウリ
の書く曲にはジミからの影響が感じられると言われていますが、その中でもウリのジミヘン趣味がよ
り色濃く現れたのが「THE SAILS OF CHARON」だと言われています。
みなさんも是非その「早過ぎた天才」のプレイに触れてみてはいかがでしょうか。
参考音源 曲名をクリックして下さい。
STEAMROCK FEVER オープニング・チューン
THE RIOT OF YOUR TIME 独特の雰囲気ですね〜
YOUR LIGHT 哀愁漂うナンバー |