HOMECDレヴュー>第41回



CDレヴュー
〜初心者に送るオススメ!?ギター・アルバム〜







■第41回■    「MR.BIG」    MR.BIG




1.ADDICTED TO THAT RUSH
2.WIND ME UP
3.MERCILESS
4.HAD ENOUGH
5.BLAME IT ON MY YOUTH
6.TAKE A WALK
7.BIG LOVE
8.HOW CAN YOU DO WHAT YOU DO
9.ANYTHING FOR YOU
10.ROCK & ROLL OVER
11.30 DAYS IN THE HOLE
ポール・ギルバート擁するMR.BIGのデヴュー・アルバム。

L.A.界隈を賑わしていた速弾きギタリストであったポールがデイヴ・リー・ロス・バンドを脱退した直
後のスーパー・べーシスト、ビリー・シーンに声を掛けられ結成した夢のバンドです。

音楽性はネオ・クラシカルな速弾きギター戦争も派手なL.A.メタルも下火になり、60〜70年代の
ブルース・ロック・スタイルに根ざした音楽性を掲げたバンドが出始めた頃で、彼らもそのバンドの中
のひとつといえ、より渋い音楽性を聴かせています。

ポールとビリーが組んだことで当然話題になりましたが、彼らだけでなくVoに当時既にベテラン・シ
ンガーとして括弧たる地位を築いていたエリック・マーティン、Drにインペリテリに所属していたパッ
ト・トーピーとタレント性も十分でまさにスーパー・バンドと言っても過言ではありません。

結成当初からインタビュー等で前述した音楽性になると語っていたと同時に、「曲重視」の姿勢がエ
リックの起用にも表れてると思われます。

実際アルバムを聴いてみると、ハスキーでソウルフルな歌声を聴かせてくれていて、そこがいわゆ
る「メタル・バンド」とは一線を画すことになっています。

キッズの注目は自然とポールとビリーのプレイに注目が集まるのですが、どうしても以前のバリバ
リのネオクラシカルな速弾きスタイルは影を潜めざるを得ないのですが、当時エリックが「程よいメ
タル度だよ!」といっていたように同時にバリバリのハードロック・アルバムであることも事実で、痛
快な内容に仕上がっていると思います。

それにスタイルが変わったとはいえ、ポールとビリーのユニゾン・プレイ1曲目からキメテくれるし、
難易度の高さは相変わらずなので、ご心配なく(笑)。

ブルージーでソウルフルな彼らのルーツに立ち返ったスタイルもそれまでの彼らのファンは新鮮だ
し、このバンドで先輩ミュージシャンから数々のものを教わり、吸収し、それまでの速弾きギタリスト
から、ミュージシャン/ソングライターとして成長しだしたポールが聴けるという意味でも興味深いア
ルバムといえるでしょう。




参考音源  
曲名をクリックして下さい。

Addicted to That Rush    冒頭のビリーのトリルからのユニゾン・プレイは強力!


                                                 第40回へ CDレヴューTOPへ 第42回へ




                                                                      HOME