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CDレヴュー
〜初心者に送るオススメ!?ギター・アルバム〜







■第30回■    「EDGE OF INSANITY」        TONY MACALPINE




1.WHEEL OF FORTUNE
2.THE STRANGER
3.QUARTER MIDNIGHT(LIVE SOLO)
4.AGRIONIA
5.EMPIRE IN THE SKY
6.THE WITCH AND THE PRIEST
7.THE TAKER
8.CHOPIN, PRELUDE 16, OPUS 28
9.EDGE OF INSANITY
10.THE RAVEN
11.NO PLACE IN TIME

イングヴェイ登場以降、そのイングヴェイを世に送り出したシュラプネル・レコードは次々と凄腕ギタ
リストを輩出していく中で、世の中は第二のイングヴェイは誰かという点に注目が集まり、そういった
ポスト・イングヴェイの筆頭ともいえるのがポール・ギルバート、ヴィニー・ムーアとこのトニー・マカ
パインで、これはそんな彼の86年発表の記念すべきデヴュー・アルバムです。

さきほど書いたようにイングヴェイが登場したことで、シーンやリスナーはクラシカルなフレイバーを
散りばめた楽曲をハイテクニックなギターで埋め尽くす俗に言う「ネオ・クラシカル」というジャンルを
求め、またシュラプネル側もそれに答えた背景もあり、必然的にこのアルバムで聴かれるトニーの
プレイも全編ネオ・クラシカルなハイテクギターが目白押しといった感じに仕上がっています。

本家イングヴェイやポール、ヴィニーといった他の「ネオ・クラ三羽カラス」と決定的に違う点はキー
ボードが弾ける点と、この頃からプロディュース能力を発揮していたところでしょうか。

ベースはもちろんキーボードの腕は若い頃からピアノを習っていて大学で正式な音楽教育を受けた
事で音楽的素養の高さも備えていると言え、そのピアノの実力を8のショパンの曲で披露してくれて
います。(ただし本作での彼のベースプレイは1曲のみ)

アルバムの内容に関してはデヴューという性質上、また時代の背景上2のようなライブでのフリー・
ソロが収録されている事からも、彼の超絶プレイに焦点をあてたネオクラシカルな弾きまくりアルバ
ムとなっていて、超絶テクニックを楽しみたい人向けと言えるでしょう。

管理人個人的には悪い点を言うなればちょっとそれぞれの曲の印象が薄いような気がします。
それに8のピアノ曲も浮いた感じが無きにしも非ずでそこら辺はもっと違うタイプの曲があれば変わ
っていたかもしれません。

それとギターのサウンドもちょっと軽い感じがしますがこの辺りも手を加えるとまたアルバムの印象
が変わっていたかも?っと思います。

まあ、レコーディングは数日で済ませたそうだし、シュラプネル社長のマイク・ヴァーニーの注文もキ
ツかったでしょうからしょうがないのでしょうが・・・。

それはともかくギターテクニック史上ポイントとなるアルバムですし、本作で聴かれるトニーのプレイ
は凄いし、ベースをビリー・シーンが担当するなど聴き所も多いですから一度聴いてみて損はないと
思います。




参考音源  
曲名をクリックして下さい。

EMPIRE IN THE SKY    ドラマティックな展開の5曲目です
CHOPIN,PRELUDE 16,OPUS 28  7曲目、問題のピアノ曲(笑)
EDGE OF INSANITY     ミドルテンポでメロウな8曲目


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