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CDレヴュー
〜初心者に送るオススメ!?ギター・アルバム〜







■第12回■    「VAN HALEN」    VAN HALEN




1.RUNNIN’ WITH THE DEVIL
2.ERUPTION
3.YOU REALLY GOT ME
4.AIN’T TALKIN’ ’BOUT LOVE
5.I’M THE ONE
6.JAMIE’S CRYIN’
7.ATOMIC PUNK
8.FEEL YOUR LOVE TONIGHT
9.LITTLE DREAMER
10.ICE CREAM MAN
11.ON FIRE

今回紹介するのはギターシーンやHR/HMシーンのみならず全世界の音楽シーンに衝撃を与え、
まさにその後の音楽史をガラッと変えた名盤中の名盤、VAN HALENの日本では「炎の導火線」
のタイトルで知られる記念すべき1stアルバムを取り上げたいと思います。

このバンドはGのエディー・ヴァン・ヘイレンが兄でDrのアレックスと共に活動していたマンモスとい
うバンドが75年にVAN HALENと改名した事から始まります。

マンモス時代から噂になっていた彼らはハリウッドを拠点に精力的にライヴサーキットを重ね、KI
SSのジーン・シモンズのバックアップも受けたと聞きます。

そんな経緯を経て、78年にこのアルバムでメジャーデヴューするに至るのでした。当時のHR/H
Mシーンはハードロックのお膝元、英国産のバンドが元気を無くしていた頃だとかアメリカのシーン
もあまりイキのいいバンドがいなかったとも言いますが、実際のところはどうだったんでしょうか。

只はっきり言えるのは英国勢に対するアメリカのひとつの答えと言えるのがこのヴァン・ヘイレンだ
ったと言える程ビッグな存在になっていったのは間違いありません。

このアルバムがファーストにして大ヒットとなった事で彼らは一躍ビッグバンドの仲間入りを果たす
訳ですが、同時にその後のシーンに絶大なる衝撃・影響を与えた事は最初に書きましたね。

ビッグなサウンドと強力なパワーを持った楽曲に誰もが新たなビッグバンドの登場を感じずにはいら
れなかったでしょうが、その中でもとりわけギターキッズ達に与えた衝撃は相当なものでロックギタ
ー史上最大級の激震だったといいます。

その激震を起こした張本人がGのエドワード・ヴァン・ヘイレン、エディーである事は言うまでも無い
でしょう。このアルバムで聴かれる彼のプレイの中で一番のショックといえば紛れもなく当時ライト
ハンド奏法と言われたタッピングに他なりません。

オープニングからパワー溢れるビッグサウンドでノックアウトされたキッズは続く「暗闇の爆撃」と呼
ばれるインストナンバーでのその摩訶不思議なラインに混乱させられました。

まずギターの音なのかこれは?どうもギターの音には間違いないようだが、何をやってるのか分か
らない・・・。と言った具合で当時いろいろ情報が錯綜したようですがどれも決定打に欠ける。

弾いてるところを実際見てみないと・・・と言う事で真相が解明されるまでかなりの時間がかかった
そうです。

右手の指で指板を押さえる・・・。という行為自体はエディー登場以前からあったのですがここまで
大々的にプレイにフューチャーされたものは前例がなく、奏法というレベルにまで発展させたのは
エディーが最初と言われています。

さすがに現在と比べてライン自体はシンプルですがその輝きは今聴いても色褪せません。

それにこのアルバムで聴けるギターサウンドはギターサウンドのひとつの究極・理想と言われてい
て現在でもこのサウンドを出すのが目標というギタリストは後を断ちません。

内容もデヴューにして既にヴァン・ヘイレンサウンドを確立しています。へヴィーなリフでオープニン
グを飾る1、ライトハンド奏法と共にエディーの名を世界に知らしめた2、キンクスのナンバーを大胆
にカバーした3、シャッフルリズムでノリノリに押してくるかと思えば「パッパラ〜シュビドゥワ〜」なん
て歌詞も飛び出してきて楽しませてくれる5、アコースティックで渋く決めてくれるヴァン・ヘイレン流
ブルースナンバー10などバンドの歴史を語る上で外すことの出来ない名曲ばかりです。

いまだに最高傑作に挙げる人も多いこのアルバム、ギターをやるならましてやテクニック志向を目
指す人なら絶対に一度は聴いておいた方がいいと言っても過言ではないでしょう!




参考音源  
曲名をクリックして下さい。

Eruption             この曲で80年代は始まった!
You Really Got Me      キンクスのカバー
Ain't Talkin' 'Bout Love   数少ないマイナー・ナンバー


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